2015年10月11日日曜日

ズバリ!!解説

ズバリ!!解説』シリーズ第2弾。

今日は「アルツハイマー病をズバリ!!解説」を公開します。






ズバリ!!解説 ~第2弾「アルツハイマー病」


「アルツハイマー病」は、今からおよそ100年前に進行性の記憶障害や妄想が現れ、55歳で亡くなった女性についてドイツのアルツハイマー博士が報告したことにより広く知られるようになりました。

その後長い間、若くして発症したものを「アルツハイマー病」として高齢になってから発症する認知症とは区別されていました。
現在は64歳までに発症した場合を「若年性アルツハイマー」、65歳以降に発症したものを「老年性アルツハイマー」等と区別しています。

若年性アルツハイマーは50代に発症することが多いのですが、日本では28歳で発症した例もあります。
若年性と老年性では現れる症状に大きな違いはありませんが、一般的に若年性の方が進行が速く、初期から後期までの期間が短いという特徴があります。

アルツハイマー病の原因はいまだに解明されていませんが、脳の神経細胞が死滅し脳が萎縮することによって知的能力が低下するこがわかっています。
しかし、本来脳は年齢とともに萎縮するため、萎縮することが特別なことではありません。
脳の委縮は老化現象であり、30歳代以降ですでに萎縮が始まると言われています。
成人の脳の重さは通常約1400gありますが、アルツハイマー病を発症してから10年経過すると800gまで減少します。

では、アルツハイマー病でなぜ脳が委縮するかというと、脳内の「たんぱく質」の一種が分解されず蓄積されていることが大きな要因ではないかと考えられています。

脳は人が生きていくうえで最も大切な器官です。
見る・聞く・触る・嗅ぐなどは目や耳、手足、鼻などの器官を使いますが、それが「何か」と認識するのは脳によって行われています。

例えば、道端に花が咲いているとします。
その花を目で見て、脳が「花」だと認識します。
そして、その花を「綺麗」だと感じるのも脳です。
「花」だと認識するためには、脳の「記憶」を担当している「海馬」という部分が関係していますが、アルツハイマー病ではこの「海馬」がある脳の側頭葉内側に萎縮が認められます。
アルツハイマー病で記憶障害がみられるのはこのためです。
※脳の仕組みについては、今後ズバリ!!解説します。

近親者や親しい人がアルツハイマー病によって驚くような行動をしたり、自分のことを忘れてしまったりするのはとても悲しいことですが、アルツハイマー病は脳が委縮する病気です。
萎縮することで、本来の脳の働きができなくなってしまうことでそのような行動を起こしてしまうのだという理解が大切です。

ズバリ!!

アルツハイマー病は脳が委縮する「病気」であり
不可解な言動は「病気」によって起こされる
次回は、近年注目の「レビー小体型認知症」をズバリ!!解説します。

2 件のコメント:

  1. 私もだいぶ萎縮していて物忘れがひどいです。何とか今を維持したいと思いますがどうすればいいでしょうかね。人と接したり 体操したりしていますが 自分のできそうな事を何か探して挑戦してみたい。  かな?

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  2. コメントありがとうございます。
    脳の委縮を予防するのはとても難しい問題ですよね。
    ただ、脳は使わないとどんどん弱っていきますので、できる限り脳を刺激するのが良いと言われています。
    指先を使うことや口を動かすのは効果的だそうです。
    赤ちゃんが手足の指先や、口をよく動かすは脳を活性させるためだとか・・。
    でも、認知症と診断された方々が脳を使った生活をしていなかったかというとそうではないため、一概に正しいとは言えませんよね。
    そうなると、たとえ認知症となっても安心して生活できる地域づくりが必要だと思います。
    町内や商店、病院、警察、郵便局、銀行などで働く人たちがみんな認知症を理解し、やさしく見守ってくれる支援をしてくれれば認知症になっても安心した生活ができると思います。
    ぜひ一緒にそのような街づくりをしていきましょう!!

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