2016年3月9日水曜日

ズバリ!!解説

ズバリ!!解説シリーズ第8弾
脳について(vol.3)ズバリ!!解説」




認知症と密接な関係「脳について-3」をズバリ!!解説

過去2回にわたって脳について解説してきましたが、

今回は「脳の不思議」について解説してみます。


まず、下の図をご覧ください。


大小の円に囲まれた緑色の円は右も左も同じ大きさですが、

大きな円に囲まれた円は小さく見え、

小さな円に囲まれた円は大きく見えます。

これは目の錯覚「錯視(さくし)」といいます。

実際は同じ大きさでも

比較する物の大きさによって大きく見えたり小さく見えたりします。


車のショールームで室内に展示されている車に「大きい!」と感じ、

実際に外で見ると「意外と小さい」と感じたことはありませんか?

これも同じ原理です。

なぜこのような現象が起きるかというと

脳には本来あるはずのないものまで認識してしまう能力と

とらえたものを補正して処理する能力をもっています。


下の図も同じです。


白い逆三角形が見えると思いますが、

実際には描かれていません。

今までの記憶や知識を頼りに脳が勝手に思い込んでいるのです。


かき氷の代表的なシロップに

「イチゴ」「レモン」「メロン」などありますが、

3種類とも着色料以外の原材料に大きな違いはなく、

味はほとんど同じです。

目隠しをして鼻をつまんだ状態で食べると味の違いは分からないと思います。

でもイチゴシロップがかかったかき氷を食べると

イチゴの味がした気になります。

これも「イチゴ」「赤」「味」という情報を脳が認識して

記憶、感覚などから「イチゴの味」と判断しているためです。


かき氷と言えば、

急いで食べると頭がキーンとした経験はありませんか?

この現象は「アイスクリーム頭痛」と言って

これも脳による「誤った指令」といわれています。

冷たいものを食べれば、

本来なら口の中や喉、お腹が「冷たい」と感じるべきですが、

脳が「痛い」と誤った指令を出しているため頭痛が起きます。

(頭に痛みを感じるのは血流との関係と言われています)


このように、脳は今まで獲得した記憶などの知能から

「たぶん~じゃないか」と推測し、

思い込ませているのです。


認知症の症状に「幻視」というものがあります。

実際にはないものが見えてしまう症状ですが、

「錯視」と「幻視」明確に区別されています。

簡単にいうと「錯視」は「見間違え」で、

見えているものを脳が誤って認識することと言えます。

対して「幻視」は「実際にはないものが実在するように見える」ことで、

認知症や何らかの原因によって起こるとされています。

「人より多く錯視する気が・・」や「人とは違う見え方が・・」

ということで認知症を疑う心配はありません。

「錯視」は獲得した知能から誤って認識することですから、

育った環境や性格など、獲得する知能は人それぞれです。

ですので、人によって異なった認識をすることは脳の正常な働きなのです。


最後に下の画像をご覧ください。


 この洋服は何色に見えましたか?

「青と黒」に見える人と「白と金」に見える人がいます。

なぜここまで違う色に見えるかというと

見る人の思い込みによって変わるのです。



ズバリ!!

~脳は優れた重要な器官だが、誤った認識も多い~

次回は、認知症予備軍といわれる「軽度認知障害」をズバリ!!解説します。

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